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プロジェクト夢っくすの誕生と軌跡

財団法人中島記念国際交流財団による 留学生地域交流支援事業報告書 平成13年度〜15年度

平成16年3月31日  うおぬま国際交流協会運営委員会
目 次
1.はじめに
2.プロジェクト夢っくすの誕生と軌跡
3.到達点と課題
4.部会報告
5.今後の展望

1.はじめに
平成13年度から3年間の継続事業として取り組んできた「新潟県南魚沼地区における地域と留学生の交流支援体制整備事業」が完了しました。この事業を申請した目的は、新潟県南部に所在する唯一の留学生受入れ高等教育機関である国際大学に学ぶ留学生の交流支援体制を充実させるための組織として「うおぬま国際交流協会(夢っくす)」を設立することでした。夢っくすは平成14年(2002年)5月26日に設立され、活動開始からわずか2年で、新潟県内有数の国際交流団体として(財)新潟県国際交流協会機関誌に紹介されるまでになりました。

ゼロから新たな組織を2年半という時間的制約の中で作り上げるプロセスは、構想と組織的成熟度とのギャップをいかに克服するかという試行錯誤の連続でありました。全体として本事業を総括するならば、留学生支援が地域の多文化化に対応しうる組織形成に広がる事例を示したこと、そして留学生受入れの第一義的責務を負う教育機関が、地域と連携することによって従来の生活支援を超える支援体制を構築できる事例を提示できたことによって、所期の目的を達成できたと考えます。

本事業による財政支援がなければ、魚沼地区における外国人住民の支援組織の必要性は、多文化化が「社会問題化」するまで、地域社会や行政に認識されることはなかった可能性が高いと思われます。夢っくすという仕組みとそこに集う人々は今後、魚沼地域が多文化化を見据えた地域づくりに取り組む中で貴重なリソースになるもの確信します。この機会を与えていただきました(財)中島国際交流財団ならびに(財)国際教育協会に心よりお礼を申し上げます。

2.プロジェクト夢っくすの誕生と軌跡  
平成14(2002)年5月は、国際大学設立20周年と共に夢っくすが誕生した記念すべき年として、記憶に残ることになるでしょう。人口1万5千人足らずの新潟県南魚沼郡大和町に日本初の英語で授業を行う大学院大学・国際大学が開設されたのは、1982年のことでした。田んぼの真ん中に校舎が建ち、留学生もやってきました。校舎の周りにフェンスはありませんが、そこは別世界のようで、気後れを感じてなかなか「こんにちは」と入っていける雰囲気ではありません。

国際大学はオープン・デーと呼ぶ学園祭に地域住民を誘ってくれます。留学生を講師に公民館では英会話教室が開かれ、地域の小・中学校では国際理解教室も始まりました。地域のさまざまな組織が単発の留学生との「交流会」を企画してくれますが、交流会での出会いから、継続性を持った"人間関係"へと発展するケースは稀です。たまたま留学生の知り合いができても、学生たちは2年で修了し、帰国してしまいます。交流を続けたいと思っても、上手く次に来る留学生と知り合えるとは限りません。交流が発展しない原因の一つは、地域の人々と留学生の間にある、英語と日本語という「言葉の壁」です。身振り手振りといっても、それでは伝えられる思いに限界がありました。時には文化の違いから誤解も生じます。そんな時は、誤解を解消するための努力をする前に「距離」を置いてしまうことの方が多かったように思います。

平成13(2001)年10月、 (財)中島記念国際交流財団が(財)日本国際教育協会を通じて「留学生地域交流支援事業」を募集していることを知りました。事業の目的は、「日本の諸地域における留学生受入れ環境を整備し、交流を促進するために、地域における留学生と日本人との相互理解促進プログラムを支援する」とあります。私たちが、留学生と地域をつなぐ「仕組み」が必要ではないかと話し合っていた内容を言いあてた文面に心が騒ぎました。助成申請の締め切りまで3週間。時間がありません。留学生との交流で顔見知りだった方々に声をかけ準備会作りの準備に入りました。並行して、国際大学と大和町からは、「助成金が採択されたら協力する」という了解を取り付けました。

半信半疑の申請でした。助成金交付決定の内示が届いたのは12月下旬。しかも、初年度が翌年3月末までだと分かり慌てました。1月末までに夢っくす構想―留学生交流を地域の多文化支援に広げていく組織づくり―を固め、2月中旬に「夢っくすニュース第1号」を発行して会員募集を開始しました。予想外の反響で、5月26日の設立総会にはすでに会員数は91名になっていました。しかし、「やりたいこと」と「できること」との間には大きなギャップがありました。また、留学生支援体制を整備するために作った「夢っくす」と、活動を開始した「夢っくす」は、本来一致するはずのものでしたが、一部役員との間に理解の齟齬が生じ、設立2ヵ月後には運営委員の3分の1が辞任し、別組織を結成するといった危機にも直面しました。意見の相違は相違として、共に生きる知恵をどのように身につけていくのか、これが異文化理解の第一歩です。しかし、人間の感情や思惑が絡み合うと、理屈では越えられない事態に陥ってしまうこともあるようです。

夢っくすがこの危機を乗り越えることができたのは、混乱が運営委員の間にとどまり、夢っくすの組織全体に波及しなかったことが幸いしました。同時にこの事件は、運営委員一人一人が夢っくすの存在意義を考える機会となり、その結果、助成事業により人為的に誕生した夢っくすが、真に会員のものになったと見ることができます。

平成16年3月末現在の夢っくす会員は164名です。夢っくすの特徴はその会員構成の多様性にあります。会員の居住地は大和町近隣の20以上の市町村に渡る広域性をもち、年齢は20代から70代まで、専業主婦から退職者、自営業者から公務員、会社員とさまざまです。魚沼地域には、今のところ夢っくすほどの広域性と世代、職業の多様性に富んだ組織は見あたりません。留学生交流という切り口から、このように多様な人々が集う組織が誕生したことは、留学生交流の魅力と可能性を示すものではないかと思います。  

夢っくすという通称は、うおぬま国際交流協会の英語表記であるUONUMA Association for Multicultural Exchange:UMEXから生まれました。この名称には、夢っくすに集う一人一人の"夢"や"思い"の交換から新たなものを生み出していく「場」にしたいという思いが込められています。会員一人一人の小さな取り組みが夢っくすネットワークの中で光をあびて、周囲に共感や感動を広げていく、その循環創出のプロセスがプロジェクト夢っくすの意図するところです。

3.到達点と課題
3年間の夢っくすの到達点と課題について、 (1)会員数、(2)活動内容、(3)地域連携の3つの視点からを分析してみたいと思います。

(1)会員数
会員数は、設立準備会発足時の17名が、設立時91名、2年目終了時123名、平成15年度末には164名となり、目標の100名を大きく上回ることができました。常設の事務局を持たない夢っくすでは、事務負担を考慮し年度毎の会員登録制を採用しています。通算会員登録者数は216名を数えます。

会員を大まかに3つのグループに分類すると、第1カテゴリーが夢っくす活動を企画運営し日本語プログラムを支えている50〜60名、第2カテゴリーが英会話教室や特定の興味あるイベントに参加する50〜60名、第3カテゴリーが具体的な活動には参加していない50〜60名です。

会員の多くは、「夢っくすニュース」あるいはホームページで情報を入手し、夢っくすの活動内容を知った上で入会した人々です。最近は会員紹介による入会も増えています。「日本語交流をしてみたい」、「英会話の勉強をしたい」、「子どもに留学生との交流を体験させたい」と具体的な入会動機をもつ人もいますが、多くは漠然とした国際交流や留学生交流への興味からの入会です。そうした会員の中から、不断に夢っくすの企画運営を担う人材を発掘し育成することが夢っくすの課題です。

「夢っくすとは何か」という議論は、この間、運営上の混乱が生じるたびに議論されてきました。現状では、「NPO的志向をもったボランティア組織」という表現が妥当ではないかと思います。非営利であり、一人ひとりのボランティアの善意と自発性に基づいているという意味では夢っくすは「ボランティア組織」です。しかし、日本語プログラムやサロン活動など継続性をもった日常活動を伴うプログラムを運営するためには、会員の自発性にのみ頼ることはできません。運営委員会を中心とした組織活動によってはじめて安定的なプログラム提供が可能となります。また、第2カテゴリーから第1カテゴリーへと会員の移動を促す意識的な働きかけと、人材養成の成否が、今後の夢っくす活動を保証するものとなるでしょう。そのためには、運営委員会の組織的なコーディネーターとしての機能を高めることが不可欠です。

(2)活動内容
夢っくすは6つの部会(サロン部会、イベント部会、広報部会、研修部会、多言語部会、事業部会)を活動の基礎単位として、運営委員会が全体調整を行うことを構想しています。月一回の運営委員会は定着しましたが、部会活動については、担当委員の個人的な努力に負うところが多く、部会活動の定着には至っていません。

各部会の活動内容は次項の部会報告に譲りますが、直接的な専門家の支援が受けられない環境の中で、日本語プログラムを作り上げてきた夢っくすの経験は今後同種の取り組みを行う地域、団体に一つの参考事例になるものと思います。日本語プログラムでの留学生と会員との交流が、波及的にホームビジットやホームステイにつながり、また、留学生家族の出産支援体制の自発的形成など、地に足のついた、交流支援体制が形成されつつあります。

夢っくすの交流主体は、今後も国際大学留学生を中心としながら、地域に暮らす外国人へと徐々に広がっていくことになると思われます。今のところ夢っくす活動を成立させるためには、国際大学内に夢っくすと国際大学との「連絡窓口」が不可欠です。本事業の助成期間中は、国際大学学生センター事務室の職員がボランティアとして「連絡窓口」を担当していました。国際大学と夢っくすとの協力連携促進のためには、今後「連絡窓口」業務が大学事務組織の事務分掌に組み込まれるかどうかが、一つのポイントになるでしょう。

国際大学山澤逸平学長は、国際大学が地域にできることは「地域の国際化そのものに役立つことであろう」と述べています。国際大学に蓄積された20年にわたる世界50カ国からの留学生受入れのノウハウは、その人材と共に貴重な地域リソースです。国際大学と夢っくすが協力連携することによって、国際大学の地域国際化支援はもっとも合理的かつ有効な形で進展することになるでしょう。同時にそれによって最も恩恵を受けるのは、国際大学で学ぶ留学生であるという関係性が、国際大学と夢っくすの留学生支援体制を他にはないユニークなシステムにし得るのです。

(3)地域連携
平成15年度の特筆すべき事項の一つは、地域社会の中で夢っくすの認知が大きく進んだことです。外国人花嫁を迎えた地域住民が日本語教室の有無を自治体に問い合わせ、自治体担当者から夢っくすを紹介されるという事例が出てきました。また、北魚沼地区で外国人花嫁の日本語支援を行っているNPOシーターとは、交流員レベルで相互乗り入れによる協力連携体制が広がりを見せています。

平成16年1月には、中学校に編入してきた日本語の全くできない中国人生徒の担当臨時講師として、中国語のできる夢っくすの日本語交流員が採用されました。このことは、留学生の日本語学習支援で蓄積したノウハウの活用のみならず、地域に埋もれている多様な人材が、夢っくすネットワークを通じて活躍の場を広げる可能性を示した事例として評価されます。

2月には、小出町役場ならびに新潟県地域振興事務所から雪祭りでの留学生と地域住民との交流について協力要請を受け、小出町からは協力金という形で、新潟県地域振興事務所からは「外国人観光客の受け入れ体勢整備事業」として、交流事業を受託することができました。これらは、魚沼地域における留学生交流のセンター的機能をもった組織形成という、初期の目的が達成されつつあることを実感させるものでした。

これらの事例は、一任意団体に過ぎない夢っくすが、法人格の有無に関わらず行政とタイアップできる可能性を示したものであり、魚沼地域における市民団体の活用に一石を投じたとみることもできます。

4.部会報告
(1).サロン部会:報告 坂西由起子  
サロン部会では、国際大学のあついご理解のもと、学内の一室を提供いただき、会員そして学生が自由に出入りし会話を楽しめる『夢っくすサロン』を開設しています。開設日は毎週火曜日と金曜日の2回で、昼は午後1時から3時までと、夜は7時から9時までの2時間ずつです。日本語を話し、日本をたくさん知りたい学生と、英語を話しまた未知の国を知りたい会員、また、縁あってこの地にはるばるやってきた留学生に、日本人の暮らしの様子を少しでも知ってほしい等々、それぞれの思いを持った会員と留学生が交流の場を求めてサロンに集い語り合います。  

新学期スタート当初は、日本語が殆ど出来ずに英語が主流の学生のグループと、学んで来た日本語を使ってみたい学生のグループに会員が加わった大きく2組に分かれ会話を楽しみます。「サロンは日本語が出来る人の行くところ」と敬遠する学生がないようにと、サロンのあり方を工夫したり、会話に入れない学生がないようにと気を遣いながら対応していますが、私たちのそんな危惧もまるでなかったかのように、半年も経つと殆どの学生が日本語で会話を楽しめるようになります。旅行のプランから病気の心配、買ってきた食材の調理方法、家族が来日した場合の滞在先等様々な相談に訪れる学生。卒業が近くなると面接の練習相手を求められたりもします。また、サロン内の掲示板には、夢っくすの行事をはじめ、近隣のイベント案内や会員によるホームステイやビジットの案内があるので、情報の提供場所としても重要です。  
サロン事業の第2の柱は、相互の文化紹介交流です。会員の特技を持った方が講師となり、華道・茶道・書道などを希望者に講習をし、日本特有の文化に親しんでもらう機会を設け、なかなかの人気です。また、サロン内だけではなく、会員宅の茶室に場所を移し本格的な茶道体験なども計画し好評です。ほかにも、節分や結婚式そして、地域の伝統行事や祭り等もテーマを決め、サロンの開設日にレクチャーしています。2月には大学の先生が、是非自分にも発表の時間を与えてほしいとのうれしい申し出があり、日頃の先生とは違う一面に学生・会員共に感激し、楽しませてもらいました。  

一方、学生からも「母国紹介」をしてもらっています。インドのカレー、中国の餃子、フィンランドのオーロラ、フランスの田舎の様子等々、毎回テーマを決めての紹介に、会員そして学生でサロン内がいっぱいになる盛況ぶりです。母国紹介の講師を引き受けてくれる学生は、勉強で忙しい中精一杯の発表をしようと頑張ってくれ、また、同じ国から来ている学生たちが応援にきてくれます。時には自慢の腕を披露し、美味しい料理のおまけもあり、居ながらにして外国の味を楽しませてもらっています。  

授業が英語で行われ、しかも学内の寮で生活している学生には、日本語の学習をしてもそれを実践する機会は殆どありません。そんな中、「夢っくすサロン」に出向くことにより、学内にありながら日本語を使う機会に恵まれ、また日本文化を体験することの出来る最高の場所ではないかと自負しています。

「キッズ・サロンの誕生」:報告  高橋和子  
サロン部会では、平成15(2003)年6月から子供を抱えた会員のための企画として、キッズ・サロンを始めました。サロンでは、国際大学の学生と夢っくす会員や地域の方々と茶道、華道、書道教室や留学生を講師に迎えた母国紹介などを行ってきました。その中で、小さな子供を連れて参加している留学生家族がいることに気づきました。  

学生は授業やさまざまな機会に日本人と交流する機会があるようですが、その家族となると1〜2年という短い期間であるため、地域に友人知人を見つけることが難しそうでした。幸い私にも小さい子供がいますので、昼間、子供を交えた交流ができればと思い、キッズ・サロンを始めることにしました。  

最初はどこの国の何歳の子供たちがいるのか、日本語がどの程度分かるのか等、分からないままのスタートでした。徐々に状況が把握できるようになり、月一回の開催が軌道に乗ってきました。  

6月は梅雨、7月は七夕、8月は夏休み宿題サポート、9月は月見といったように、月ごとにテーマを決めて、日本古来の行事や折り紙、紙芝居を使った読み聞かせなどを行っています。11月の七五三では地元の写真館の協力を得て、貸衣装のクリーニングを少し待ってもらい、留学生の子供たちに着物を着せることができました。  

子どもたちはどの子も素直で頭が良く、日本語が完全に理解できなくても、すぐに仲良くなって、好奇心一杯の眼差しを向けてきます。キッズ・サロンは私たちが忙しい日常の中で忘れかけていた日本の行事を、外国の子どもたちと共有し、日本を再発見する場にもなっています。キッズ・サロンの輪が地域に根ざし、世界に広がっていくことを願っています。

2.多言語部会−外国語プログラム: 報告  柳瀬陽子
夢っくす英会話教室は、「英会話が上手くなりたい」という会員ニーズに応えて、平成14年夏にスタートしました。日本語の十分できない国際大学留学生との交流を円滑に進めるためには、コミュニケーション手段としての英語対応能力を高めることが不可欠です。プログラムは、英会話学習を通じて「外国人」との心理的な壁が低くなるよう異文化理解の要素を組み込み、受講者同士の交流が広がる楽しい場となるよう企画しています。

講師は国際大学の学生で、これまでの講師はアメリカ、イギリス、タイ、台湾、カナダ、日本、アイルランド等の出身者です。今年度の受講者は第1期26名、第2期21名、第3期23名で通算受講者は70名でした。受講者は10代〜60代までとさまざまです。受講料は8回で3,000円、テキストは『New Interchange 1』を使用し初級者向け教室としています。「継続は力なり」と繰り返し受講する会員の方も多く見受けられます。回数を重ねる毎にわかる単語、フレーズが増えてくることを励みに、英会話にチャレンジする会員が増え、それが夢っくす活動の発展につながることを期待しています。

また平成16年1月からは、事業部会との共催で新たに「英語チューター・プログラム」を発足させ、3月からは同プログラムの月例会として「チャット・イン・イングリッシュ・ギャザリング」を定例化しました。これは、日本語プログラムのカウンター・プログラムの位置づけで、留学生が夢っくす会員の英語学習を支援するものです。英語チューター・プログラムの発足によって、言葉の壁を乗り越える双方向の支援システムが形を整えました。今後、各プログラムの運営システムの改善を図りながら、一層のプログラムの充実を図っていきたいと考えています。

3.多言語部会−日本語プログラム:報告  大平悦子
(1) 日本語プログラムの必要性  
夢っくすでは、交流の相手となるのがほとんど国際大学の留学生とその家族で、彼らは国際大学の特殊性から、学外の日本人と接することなく、全く日本語を話さなくても2年間の修業を終えて帰国することもあり得る人たちでした。しかし、彼らには、せっかく日本に来たのだから、日本の習慣や文化に触れてみたい、近くに住んでいる住民たちと話がしてみたいという希望もあり、そのためには多少なりとも日本語を学習する必要性がありました。国際大学では日本語を学ぶ授業がありますが、カリキュラム上それを受講できない留学生も多く、留学生の家族にとっては日本語学習の機会が全くないという状況でした。  

そこで、交流活動の第一歩として、彼らに日本語を学習する機会を提供することがなによりも重要だと考えたわけです。

(2) 日本語学習を支援する人々の育成  
近年、全国各地に「外国人住民のための日本語支援ボランティア」の活動が活発に行われています。しかし、夢っくす設立当初、魚沼地域にはそういった日本語支援の専門家がおらず、自分たちで日本語の教え方を基礎から学んでいかなければなりませんでした。  そこで夢っくすでは、修了時には「日本語を外国語として捉える」「外国人とのコミュニケーションにおける留意点」などの必要最小限の内容を身に付けることができる、アルクの6ヶ月通信講座「日本語の教え方・短期実践講座」を受講する日本語交流員養成プログラムを作りました。  

この受講者募集の際には、講座修了後、夢っくすでの日本語交流員登録と活動を条件に、受講料39,000円のうち29,000円を還付すると案内し、2002年2月から第1期生15名、4月から第2期生16名が受講を開始しました。

(3)トライアル日本語クラスとその後のクラス活動  
各自で「日本語の教え方講座」で勉強を進めていく中、7月頃になって受講生の中から「実際に外国人を相手にしてやってみないと分からない。」という声があがりました。そこで、ちょうど国際大学は長い夏休みに入っていましたが、キャンパスに残っている留学生や家族の中から日本語学習希望者を募り、受講者5〜6人に交流員4〜5人の昼クラス1つと夜クラス1つを作り、トライアルとして5回ほどやってみました。  

日本語交流員の中には、この時初めて、肌の色が違う人や言葉が通じない外国人を間近にしたという人もいて、緊張の汗を流しながらも、学習意欲旺盛な受講生に半分助けられつつ、日本語を学ぶ人にとってどんな点が難しいのかを少しずつつかんでいく事ができました。  

その後、秋からはこのトライアル日本語クラスを一部交流員が引き続き担当し、国際大学の新学期スタートにあわせて10月からは新たに5クラスを開講しました。交流員1人または2人につき、学習者2〜5人のクラス編成で、テキスト「FIRST LESSON IN JAPANESE」を学習のベースにしています。初めは経験がなくおろおろすることが多かった交流員たちも徐々に独自の教材を使い始めたり、言葉の学習に留まらず、外に連れ出して地元の生活や文化に触れさせるなど、数ヵ月後には幾分余裕がみられるようになってきました。

(4) チューター・プログラムの開始  
日本語を始めて学習する場として日本語クラスを開設してきましたが、クラスでの学習の成果によって、ある程度は意思疎通ができるくらいに日本語が上達してきた人がでてきました。また、国際大学の日本語の授業で学習している留学生の中からは、授業での日本語学習だけでなく、地域の日本人と日本語で会話したりコミュニケーションをとったりする会話パートナーや、進度が速い授業内容の復習をサポートしてくれる日本語交流員を望む声が聞こえてきました。日本語交流員の中にも、仕事を持っているため一定の曜日や時間にコンスタントに活動するのは難しいが、時間の都合がつく時にフレキシブルに日本語交流を続けたいという人もいました。  

そこで、平成15年1月からは「初級日本語クラス」と並行して「日本語チューター形式」を開始し、ある程度日本語が話せる外国人を対象に、外国人と夢っくす会員が1対1でペアを作り、お互いの都合がいい時に会って日本語で話をするというかたちをとりました。相手はなんとか日本語でコミュニケーションが取れる外国人なので、チューターには特別な資格や英会話力が必要なく、夢っくす会員なら希望すれば誰でもチューター登録ができることとし、より多くの外国人と会員が交流の機会を持てるようになりました。

(5) 試行錯誤の中から定着してきたプログラムのかたち  
「クラス形式」と「チューター形式」のかたちをとりながら、国際大学の教育課程に合わせて、1年を新入生がやってくる秋学期(10〜12月)、冬学期(1〜3月)、春学期(4〜6月)、夏休み期間(7〜9月)に区分し、学期初め、学生の授業履修プランができる頃に夢っくす日本語プログラムの受講者を募集します。  

クラス形式は、異なった進度で昼夜あわせて常に5クラス以上開設し、本来の学業で忙しくどうしても欠席が多くなってしまい、なかなか日本語を身に付けることができない学習者でも、あきらめることなく何度でも再受講できる体制です。チューター形式は、都合がつく時間が合いそうなこと、趣味などで共通の話題が多そうなことなどを考慮してマッチングをし、一学期終わる毎に各自にアンケートを書いてもらい、継続や別パートナー希望の意向を確認しています。ほぼ全てのペアが継続して交流を続けており、半年以上お付き合いしているペアも多いです。

(6) 失敗からの学びと交流の深まり  
夢っくす日本語交流員には日本語を教えた経験がある人は一人もいなくて、特に初期の日本語クラスでは、なにもかもが手探り状態でした。日本語を話せる私たちにとって当たり前で簡単なことが、外国人にとって思いがけず難しいことだったりすることも、実際に接してみて初めて分かりました。

国際大学の学生は総じて優秀な方たちなので、「ひらがな」ぐらいは1週間で全部覚えられるだろうと思い宿題にしたところ、それができずに劣等感を感じてしまった学生が、翌週から日本語クラスに来なくなってしまったこと。逆に、簡単な日本語しか分からないとはいえ、学習者は幼稚な内容では退屈に感じてしまうこと。「教えよう」とする交流員と、気軽に日本語に触れてみたいと思っている学習者との間に温度差があったりしたこと。また、日本人どうしなら言葉がなくても何となく伝わる微妙なニュアンスが伝わらなかったり、考え方や習慣の違いに驚いたりと、異文化理解の難しさを感じることもありました。  

その反面、全く日本語が話せなかった人が、数ヵ月後にはたどたどしいながらも一生懸命日本語で話そうとしている姿に胸が熱くなったり、日本語プログラムでの交流がきっかけで親しくなり、会員の自宅に学生を招いて家族ぐるみのお付き合いが始まったりもしています。チューター形式で日本語を勉強していたある学生の奥さんが出産の際には、通院から出産直後の育児までを「夢っくすママさん隊」でサポートする体制が自然とできあがっていました。

(7) これからの課題  
現在5期生6人が「日本語の教え方講座」を受講中で、これまでに講座を修了し日本語交流員として登録した会員は26人です。そして平成16年冬学期現在、夢っくす日本語プログラムに参加している外国人は、クラス形式で25人、チューター形式で39人です。留学生だけでなく、その家族の参加が少しずつ増えていますし(現在8人)、大学の外国人教授等の参加も時折みられます。日本での就職を目指してきっちり日本語を学びたい人から、日本語を学習するためというよりは、日本人パートナーとの心安らぐひとときを楽しみに参加している人までさまざまです。

夢っくす日本語交流員や会話パートナーにとって必要なのは、日本語についての知識や教える技術よりも、これらの日本語能力もまちまちで多様な学習者の要望を的確にくみ取り、お互いに楽しい時間を過ごせるコミュニケーション力ではないかと考えます。そのために、日本語ボランティア活動や異文化交流等に関する研修会にはできるだけ多くの会員に参加してもらい、また、お互いの経験や情報を出し合い共有できる場を多くもたなければならないと考えます。

また、平成15年秋学期から地域に住む中国人花嫁さんが一人、夢っくす日本語クラスに参加していますが、魚沼地域にかなりたくさんいると思われるこういった日本語学習を緊急に必要としている人たちを積極的に受け入れるには、経験の浅い私たちは残念ながらまだ準備不足です。今後、積極的にそういう取り組みをしていくために、行政や周辺の外国人生活支援ボランティア団体とのネットワークづくりや協力体制の確立がこれからの課題です。

4.研修部会:報告  井口義夫
研修部会では、夢っくす活動を担う人材育成と地域の異文化理解を促進するための講座を開催するとともに、関係団体の主催する研修会へ会員を派遣してきました。 本事業と平行して、大和町は平成14年度から2年間、文部科学省の「教育の国際化推進事業」の指定を受けました。この関係で、この2年間は異文化理解や日本語教育に関する研修の機会に恵まれ、人材育成が喫緊の課題であった夢っくすにとっては、非常に幸運だったと思います。この2年間に主催、あるいは会員を派遣した研修会は次のとおりです。
【研修会・異文化理解講座一覧】
開催日 講師 会場 テーマ
平成14年
2月23日 堀江 学(JAFSA事務局長) 大和町公民館 *「日本の国際教育交流と地域の人々の役割」
3月9日 横田雅弘(一橋大学教授) 大和町公民館 *「くにたち地域国際交流活動の実践」
3月23日 近藤祐一(南山大学助教授)
堀江未来(南山大学)
大和町公民館 *「異文化コミュニケーション入門講座」
6月5日 近藤大博(日本大学教授) 大和町公民館 *「サングラスをはずしませんか?―真の相互理解を求めて」
6月17日 小杉 泰(京都大学教授) 大和町役場 *「イスラームという生き方―国際理解へ向けて」
10月12日 山西優二(早稲田大学教授) 大和町役場(教育の国際化事業) 「国際理解教育って何?―そのねらいと実践への基本課題」
10月26日 足立祐子(新潟大学) 上越市 日本語教育セミナーin上越
11月1日 河北祐子・宮崎妙子(武蔵野市国際交流協会) 浦佐小学校(教育の国際化事業) 「学校における日本語学習支援活動」
11月2日 杉澤経子(武蔵野市国際交流協会) 大和町公民館 *「ボランティア活動の基礎―参加と学び、そして共感」
12月13日 河北祐子・宮崎妙子(武蔵野市国際交流協会) 浦佐小学校(教育の国際化事業) 「日本語学習支援と地域ネットワーク」
12月15日 対馬俊彦 パソコン教室クリック ホームページ研修会1
12月21日 対馬俊彦 パソコン教室クリック ホームページ研修会2
平成15年
2月1日 宮島 喬(立教大学) 他 文京区民会館 「外国人住民と地域活動」
2月8日 山西優二(早稲田大学教授) 大和町役場(教育の国際化事業) 「学校と地域の連携について」
2月22日 川北秀人(IIPOE) 長岡市 NPOマネジメント研修1
2月23日 川北秀人(IIPOE) 長岡市 NPOマネジメント研修2
3月1日 渡邊信子 長岡市 NPOマネジメント研修3
3月9日 川北秀人(IIPOE) 長岡市 NPOマネジメント研修4
3月9日 新潟県国際交流協会主催 ホテルサンマート新潟 グループリーダー研修会
6月23日 鈴木孝哉 雪国会館 *かわら版ライター養成講座
6月28日 野山 広(文化庁国語課) 大和町役場 *「未来を拓く子どもたちへの贈りもの」
8月5−6日 日本女子大 平成15年度「文化庁日本語教育大会」
8月23−24日 東京国際センター 第1回国際交流協力実践者全国会議
8月31日 対馬俊彦 パソコン教室くりっく *初級インターネット教室
10月25日 対馬俊彦 パソコン教室くりっく *デジカメ研修会
11月29日 野山 広(文化庁国語課) 大和町役場(教育の国際化事業) 国際理解教育講演会
平成16年
1月24日 Umidjon V. ・武田里子 夢っくすサロン *英文Eメール研修会
1月31日 足立祐子 長岡市民センター 「年少者に対する日本語学習支援」
2月21日 中村正董(元新潟大教授) 大和町役場(教育の国際化事業) 国際理解教育講演会
2月25日 久保田美子 浦佐小学校(教育の国際化事業) 日本語指導研修会
3月6−7日 松尾恭子 長岡市民センター 「日本語の教え方の基本とコミュニケーションのコツ」
3月16日 簗島史恵 浦佐小学校(教育の国際化事業) 日本語指導研修会
* 印は夢っくす主催プログラム。

5.イベント部会: 報告  押見祐己子  
活動開始2年目を迎え、いくつかのイベントが恒例行事として定例化しつつあります。具体的には、4月下旬の山菜を使ったガーデンパーティー、7月初旬の秋入学予定者の英語集中講座参加者の歓迎会、9月中旬の国際大学新入生歓迎会、9月下旬の稲刈りツアー、11月初旬と3月下旬のバスツアーなどです。この恒例行事に、平成15年度は留学生と夢っくす会員の共同プロジェクトとして取り組む「文化講座」が加わりました。平成15年4月にインドネシア講座、平成16年1月にはインド講座を開催しました。

「インドネシア文化講座」と「インド文化講座」は、夢っくすと留学生との共同プロジェクトとして取り組みました。実施プロセスを通じて留学生との協力連携関係が深まり、従来の夢っくすが企画した行事に留学生が参加するという一方通行の交流から比べると大きな前進です。さらにインド文化講座の広報については、近隣町村の広報紙をはじめ一般商業紙ほぼ全紙で紹介され、広報活動の面で組織的な成熟度を示すことができました。  

イベントは実施そのものより、その準備過程にどれだけ多くの会員や学生の参加協力を得られたかが大切です。そのためのコーディネートがイベント部会の役割です。全体としては、企画運営面ではまだ改善する余地がありますが、取り組みを重ねる中で改善していきたいと思います。

6.広報部会: 報告  畔上哲史  
夢っくすの広報媒体は、会員向けに発行している月刊「かわらばん」、地域広報を目的に年2回発行している「夢っくすニュース」、そして夢っくすホームページ(http://www.umex.ne.jp/)の3つです。  

「かわらばん」の編集は、2名体制から3名体制に移行しましたが、転勤により1名が欠けるため再び2名体制に戻ります。安定的な発行体制を維持するため、引き続き部員募集を行いたいと思います。「かわらばん」は分担して執筆した原稿を電子メールでoffice@umex.ne.jpに送信し、担当者が編集するリレー方式で発行しています。  
現在、「かわらばん」はカラーコピーで印刷しているため、1部A3両面で100円と会費の3分の1が広報の印刷に消費されています。コスト面だけで考えると、白黒にしてはどうか、発行回数を減らしてはどうかという提案がでてくることは自然かもしれません。もちろん、コストについては常に改善努力が必要ですが、ここで夢っくすの活動を支えてきた「かわらばん」の役割について、整理しておきたいと思います。  

「かわらばん」の目的は、夢っくす活動を会員や協力者に知らせ、そうした人々からの共感を高め、参加者、協力者を増やしていくことにあります。夢っくすの活動は自らの時間や労力を無償で提供してくださる会員と、会員ではないものの華道や着付けなどさまざまな文化講座、稲刈りツアーの受入をしてくださる地域の方々、そして私たちの交流主体である国際大学の留学生や日本人学生によって支えられています。かわらばんの機能としては活動紹介と共に、そうした会員や協力者へのお礼の意味合いが大きいように感じます。自分の写真や記事、原稿が掲載されたかわら版を、友人、知人に見せ、そこから新たな会員を会員が紹介してくるという流れが見えます。

1週間のスパンでみれば、日本語プログラムを中心に50〜60名の会員が活動していますが、160名を超える会員が一同に介することはありません。入会したものの具体的な活動の参加実績がない会員、何から始めたらよいのか分からない会員、遠方に住んでいて物理的に参加が困難な会員もいます。参加の形態はさまざまでよいと考えます。会員個々の感動や経験を共有し、活動内容を伝えていくことが、夢っくすを支える基盤になっているのだという自負をもって広報部会は活動しています。

今年度、新潟県地域振興事務所から事業受託を受けましたが、「夢っくすとは何か」を説明する上で「かわらばん」や「夢っくすニュース」の果たした役割は大きかったと思います。コスト削減の継続的努力を前提としつつ、広報部では、広報活動の分野で会員の皆様の活動を支えて行きたいと思います。  

7.事業部会: 報告  武田里子  
事業部会は、ホームステイ/ホームビジット、フリー・マーケット、通訳・翻訳プログラムなど、他の部会に属さないプログラムを担当しています。夢っくすの主な財源は、会費とさまざまなプログラムの参加費ですが、事業部会では、将来の事業収入に結びつきそうなプログラムの試行も担当しています。  

事業展開をする上では、常設の事務局のない夢っくすで無理なく実施できる運営方法にも気を配っています。ホームステイ/ホームビジットは、会員からの受入票をサロン内に掲示し、希望者の申込書を取りまとめて訪問者の決定を行っています。ホームステイ/ホームビジット単独のプログラムにせず、日本語プログラム参加者に優先権を与えることによって、「顔の見える」プログラム間連携による運営を目指しています。  

フリー・マーケットについては、冬物衣料をメインにトライアルで平成15年10月に開催してみました。会員の電子メール保有率7割というネットワークを活用して、物品の提供を呼びかける方式で、予想外に簡単に開催できることが分かりました。その後、単発で会員から提供されたアイロンや電子レンジをサロン内に掲示して希望者に譲るという方式も試行してみました。試行結果としては、品物を集めることより、売れ残った品物の保管管理に課題があることが分かりました。対策としては、フリー・マーケットは他のイベントに合わせて開催し、売れ残った品物は提供者に持ち帰ってもらうことが一案です。また、個別に「譲ります」「探しています」といった情報をサロン内に掲示して、必要なものを必要な人に個別に受け渡しするシステムも有効であると思われます。  

平成15年度の事業部会で特筆すべきことは、新潟県地域振興事務所から「外国人観光客の受け入れ体勢整備事業」を受託したことです。この事業は、現在500万人弱の外国人観光客を2010年までに倍増させようという「観光立国行動計画」に基づき、魚沼地域の外国人観光客の受入れ体制を整備するため、身近な外国人である国際大学の留学生に六日町雪祭りを体験してもらい、その感想をとりまとめるというものでした。このプログラムには、日本人学生が会場での地域住民と留学生との交流を通訳としてサポートし、また、終了後の留学生のリポート翻訳で活躍しました。このプログラムは新潟県の県民だより「やまなみ」魚沼地域版に写真付で紹介され、夢っくすの地域内での認知を高める役割を果たしました。単に地域に外国人が住んでいるだけ、行事に参加するだけでは、交流の広がりには限界があります。日本語の十分ではない外国人と地域住民との間のコミュニケーション・サポートをする「人」「組織」があることによって、期待以上の成果を生むことができます。夢っくすでは、今後も同趣旨の事業を通じて、地域の国際化推進のため、関係機関と協力連携を進めたいと考えています。

また、この事業の取り組みから翻訳・通訳プログラムの試行に入りました。これは、日本人学生のプログラム参加希望者に事前登録してもらい、翻訳・通訳の依頼があった場合に紹介するものです。さっそく、3月には南魚沼郡環境衛生センターの職員が北九州市で開催される環境問題の国際会議で発表する原稿の翻訳依頼を受け完了しました。国際大学には50ヶ国を超える国々からの留学生が学んでおり、ほとんどの主要言語の翻訳・通訳に対応できます。一定期間の試行を経て、プログラムを確立したいと考えています。

5.今後の展望
私たちは、活動開始当初から多くの助成事業にありがちな助成期間中の活動で終わってしまうことのないよう、いかに助成終了までに自立可能な体制を構築できるかを念頭に活動してきました。組織は人材が鍵を握ります。活動開始2年半で160名を超える会員を擁する組織に成長することができましたが、各プログラムを中心的に担う人材の層はまだ十分とはいえません。

夢っくす会員が入会する動機も活動形態もさまざまです。夢っくすの活動が個々の会員の交流要求を満たしながら、組織全体としては地域に暮らす外国人住民の支援活動という市民活動の性格をもつものであることを会員が感じ取ることができるかどうか。会員一人ひとりが活動を通じて他者の役に立てることに自らの喜びや自らの成長を実感でき、そのことが新たな創造やエネルギーを生み出す循環を作り上げることができるかどうか。その成否は、夢っくすが組織としてコーディネーター機能を持ちうるかどうかにかかっていると思われます。

全国的にみても、夢っくすのようなNPO的志向をもったボランティア組織のモデルになる先行事例はないようです。夢っくすの展望は、夢っくすに適した活動形態の模索や、夢っくすの目的や理念に共感する人々の輪を広げる中から見いだす以外にないでしょう。そのために、自ら情報発信しつづけること、外部協力者のネットワークを活用することが必要です。

教育機関には「地域に開く」ことと学生の安全を確保するための「管理」をいかに両立させるかという課題があります。国際大学と夢っくすとの関係をどのように規定していくのかは、まだ定まっていないようです。国際大学との関係は、夢っくすの活動実績の蓄積と共に定まることになるでしょう。現時点で言えることは、国際大学と夢っくすが、留学生支援で協力連携し補完しあうことによって、留学生支援の分野で新たな事例を提示できる可能性をもっているということです。  

魚沼地域にも、外国人花嫁とその家族、外国人児童・生徒など、日本語学習支援の必要な外国人住民の問題が表面化しつつあります。今のところ、外国人住民の絶対数が少ないため、外国人住民の「ニーズ」が行政側に見えていない状況にあります。しかし、数の問題ではなく、日本語学習の場を求めて夢っくすにたどり着く外国人住民がおり、日本語が分からないために義務教育の終了が危うい生徒がいるのです。そうした人々の存在を地域社会に知らせていくこと、行政にそうした人々の支援体制を求めていくことも必要でしょう。夢っくすが留学生交流の中で蓄積しつつある人材とノウハウは、近い将来、行政との連携の中でより広い分野で役立つ日が来ると確信します。


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UMEX うおぬま国際交流協会
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