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小さな町の小さな大学の留学生交流の試み

国際大学 武田里子

1.はじめに
私は、「留学生10万人計画」
(注1)が発表される前年1982年に、教育言語を英語とする日本初の大学院大学として開学した国際大学で、留学生の生活支援を担当している。国際大学は、日本の文化社会に興味をもち、日本の経済発展や日本的経営に興味を持って、国際関係学や国際開発学、国際経営学を学ぼうとする世界40数カ国からの留学生と、日本人学生の学びの場である。約300名の学生のうち日本語学習経験を持たず、海外から直接入学してくる留学生が8割を占めている点が、他大学と大きく異なっている。  

本稿では、英語プログラムで学ぶ留学生に「日本での生活体験」を提供すると同時に、留学生との交流を通じて地域の国際化に取り組んでいるうおぬま国際交流協会(UONUMA Association for Multicultural Exchange: UMEX通称「夢っくす」
(注2))の事例から、留学生交流のもつ新たな可能性について紹介したい。

2.夢っくす設立の背景
夢っくすは、留学生の生活支援体制を充実するプロセスの中から、大学と地域との連携によって誕生した民間の国際交流協会である。大学が留学生支援の観点から国際交流協会設立のイニシアティブをとった初めての事例ではないかと思われる。

国際大学は人口1万6千人の農村に立地している。この立地条件は一面マイナス要因であるが、対応によっては、異なる歴史や文化をもった人々が、貧困や環境、人口問題など、世界や人類が直面しているさまざまな問題解決のために、どのように協力し合えるのかを考える上で、プラスに作用する可能性をもつ。この立地条件をプラスに転化するためには、世界や日本の社会ニーズに応える教育プログラムの開発と共に、地域社会との結びつきを強化することが必要である。  

夢っくすが設立される以前にも、個人レベルの、あるいは小グループでの地域住民と留学生との交流は行われていた。また、留学生は地域のさまざまな団体から交流会に招かれる機会もある。しかし、そうした交流会に招かれるのは「日本語のできる」留学生に限られ、また多くは2〜3時間食事を共にし、歌や踊りを披露して終わることの繰り返しで、そこに集った人々との交流が深化することはまれであった。  

一過性の交流から深化を伴う継続性のある交流へ、そして言葉の壁を越えて交流を成立させるためには、交流のための仕組みが必要であった。夢っくすは、新潟県魚沼地区の留学生支援を促進する主旨で(財)中島記念国際交流財団の財政的支援を受け、また、国際大学からは学生寮の一室を活動拠点として無償提供を受け、平成14年2月に活動を開始した。同年5月に正式発足し、現在の会員数は120名である。年度毎の登録制をとっているため、通算した会員登録数は160名を超える。

夢っくすは助成事業として活動を開始したことにより、活動の積み重ねによる段階的な組織体制の整備というプロセスを経ることなく、一気に構想の具体化を図った。そのため、組織的成熟度と活動内容にギャップが生じ、矛盾が表面化する局面もあった。この危機は、留学生ならびに日本人学生が、地域社会とのインターフェースとしての夢っくすの役割を理解し、活動を支援してくれたことによって乗り越えることができた。6月の修了式では、修了生総代が謝辞のなかで、日本の文化社会に触れる機会を提供してくれた夢っくすに感謝すると述べている。

3.夢っくす活動の多様な展開
夢っくすは6つの部会
(注3)を中心に活動を行っているが、継続的かつ定期的な交流を担っているのが、週2回のサロン活動と日本語プログラムである。日本語プログラムには、教室形式と1対1の会話パートナープログラムがあり、日本語での交流を主体に、学習者が生活上必要とする日本語学習を支援している。夢っくすのイベントは、日本語交流の現場で発せられる学習者の声を具体化するケースが多い。また、夢っくす発足によって、留学生家族との接点が生まれたことが、留学生支援の観点からみると大きな前進であった。  

留学生の配偶者との日本語交流が、家族ぐるみの交流へと発展した様子は、6月末から7月初旬にかけて、浦佐駅で帰国する修了生家族を日本語交流員家族が見送るという光景から実感させられた。

また、子どもを持つ親同士の交流から、子ども向け絵本の読み聞かせや、七夕飾りを親子で作ろうという企画、夏休みの宿題サポートの企画が生まれてきた。さらに、サロンでの留学生による母国紹介を拡大して、地域向け異文化理解講座として取り組んだ「インドネシア講座」では、留学生はもとより、留学生の家族、さらに駐日インドネシア大使館の協力もあって、予想以上に充実した内容の講座となった。  

高齢者のデイサービスセンターに勤務している日本語交流員は、会話パートナーの留学生と高齢者との交流会を行っている。お礼にもらった紙細工を「大切にします」といった留学生に、90歳を超えるお年寄りが「自分は海外へ行ったことがないが、自分の作品が外国へ行ける」と、感慨深そうに話したという心温まるエピソードも寄せられている。  

7月には、新潟県車椅子の会から「留学生と交流できないだろうか」と相談を受け、身障者グループとボーリングとバーベキューによる交流会を行った。参加した留学生は、交流会に参加するだけで喜んでもらえることに戸惑いを見せながらも、日本における障害者の活動や社会的な支援体制について、しっかり観察することも忘れていなかった。

昨年稲刈りツアーに参加した留学生からは、今年も稲刈りツアーを企画して欲しいという要望が寄せられている。アジア諸国からの留学生には、高度な栽培管理を行う日本農業に対する関心が高い。  

4.留学生交流を多文化共生の地域づくりへ
夢っくすの事例は、留学生の受入主体である大学が、地域と協力して留学生支援の枠組みを作ったことに意義がある。留学生に限らず、人が生きていくためには、さまざまな人のネットワークが必要である。さまざまな人々が集う「場」としての夢っくすが、留学生ならびに外国人教員とその家族、日本人学生、地域に暮らす外国人、身障者などとの多様なネットワークの結節点となり、重層的な交流活動が展開する条件を整えつつある。

夢っくす会員からは、交流活動を通じた日本語や日本文化に対する新たな気付きと、「新聞をよく読むようになった」り、「地域に対する関心が高まった」という声が寄せられている。

夢っくすを、そこに集う一人ひとりにとって、何らかの自己実現につながるような「場」にしたいと思う。そのためには、「異なり」を強調するのではなく、「共通点」を見出し広げていく姿勢が大切であろう。小さな町の小さな大学で始まった、留学生交流と多文化共生の地域づくりとの連携から、留学生交流の新たな可能性を模索したいと思う。


(2003年9月、財団法人三菱信託山室記念財団50年史への寄稿原稿)

注1 1983年8月に発表された「21世紀への留学生政策に関する提言」で、高等教育レベルでの教育、研究分野における国際理解、国際協調の推進、途上国の人材育成協力等の観点から初めて打ち出された総合的な留学生政策。この中で、21世紀初頭に留学生数をフランス並みの10万人にするという数値目標を掲げた。

注2
夢っくすは、留学生交流を地域づくりへと発展させることを構想し、設立の段階から大学と地域、そして行政が協力連携していることが特徴である。http://umex.ne.jp。筆者は国際大学学生センター職員として、夢っくすと学内の教職員、学生との連絡窓口を担当している。

注3
会員は希望により次の6つの部会(サロン部会、多言語部会、研修部会、イベント部会、広報部会、事業部会)に所属することができ、14名の運営委員が各部会を分担している。

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(土曜:13:00〜15:00)
事務局:〒949-6609 新潟県南魚沼市八幡35-7

TEL: 025-779-1520
FAX: 025-779-1520
E-Mail: office@umex.ne.jp