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「多文化共生シンポジウム」参加報告
―2004年10月19日 於:新潟市朱鷺メッセマリンホール―

新潟県国際交流協会の主催で開催された標記シンポジウムに夢っくすから7名が参加しました。参加者の皆さんから印象に残った点をリポートにまとめていただきましたのでご覧ください。

参加者:森山俊行・井口義夫・坂西由紀子・佐藤八重子・篠田ヒサ・高津戸真弓・おおひら悦子



森山 俊行

去る10月11日(体育の日)、朱鷺メッセマリンホールで開催された多文化共生シンポジウムに夢っくす会員として参加する機会に恵まれた。日頃から日本語学習支援の難しさを聞いていた私にとって、有意義なものになることを期待しつつ参加した。

はじめに第一部として、尺八演奏家として有名なクリストファー遙盟氏の演奏とお話「テーマ:『日本』で暮らしてみると」が行われた。尺八の演奏は日頃聞き慣れていないせいもあり、とても新鮮に感じた。演奏の後の話では、尺八を通して「簡単な楽器から大きな世界が作れることがわかり、言葉も同じであると考えている。」との話しがあり、「特に日本は間接社会なので音楽においてもそれがきれいな音色を作り出す。」との話に続き、「日本の文化は世界に遺産である!」と、心強いお言葉を頂いた。

次に第二部のパネルディスカッションとして、春原 憲一郎氏の「多文化時代と日本語教育」、野山 広氏の「行政と日本語ボランティア」が行われた。両名のお話は以前にも聞いたことがあったため、部分的に残っている記憶を呼び覚ましながら聞いた。春原氏の話で印象的だったのは、「友人ではなく隣人として…」のくだりが、つい学習支援などと考えると肩に力が入ってしまう方々をリラックスさせてくれる言葉に感じた。野山氏の話は、さすが元行政官らしく、日本語教育のあり方についての方向性と課題、それを解決するために行政が実施して来た施策について話され、国としても色々な取り組みを行っていることが判った。

最後に講演として、清ルミ氏の「学習者をその気にさせるためのヒントあれこれ」が行われた。その話の中で再認識させられたこととして、日本語を教える場合に、教える側の都合で教科書の載っている順番どおりについ行ってしまいがちだが、そうではなく、相手が何を学びたいかをまず聞いて、相手が望むものを教えることが必要であると仰っていた。日頃生活の場で日本語を使うことの必要性に迫られている人達にとっては、その方が役に立ち、感謝されることをあらためて認識させられた。興味のある方は、NHKで放映されている清ルミ氏監修の「新にほんごでくらそう」をご覧頂くと話の意図が理解できるかと思う。

全体を通して、時間的にはあっという間に終わってしまった感はあるが、それなりに得るものもあったように思う。また、機会を捉えて参加してみたい。


井口義夫

第1部 「日本で暮らしてみると」
 アメリカ、テキサス生まれで、1972年に来日以来の日本生活を尺八に乗せて披露。
・ 尺八の妙音は、ピアノ等の単音と違い連続性を持っている
・ 日本語は、て、に、を、は、の助詞が難しい
・ 敬語が、いまだにうまく使えない
・ 実際の話し言葉で、日本語を覚えたなど、とても上手に日本語を話せるのに、まだまだという感じが印象的でした。

第2部 「日本語学習支援と多文化共生社会」
 パネリスト 春原憲一郎氏(海外技術者研修協会AOTS日本語教育センター長)
 パネリスト 野山広氏(国立国語研究所日本語教育部門主任研究員)
 デスカッション 田尻英三氏(龍谷大学経済学部教授)・清 ルミ氏(常葉学園大学外国語学部教授)
・ 言葉中心主義を、小さくする
・ 外国人の学習者に対して、「日本語が出来ないと・・困りますよ」など脅迫しない
・ 日本経団連の提言による、外国人受け入れの転機が訪れている
・ 住民の意識改革が、大事である
・ 隣人としての関係は、冷たい関係でもよい
・ ボランティアに意識の問題としては、自分で始めた事に認識して、「楽しく」「淡と」「あきらめず」「息長く」
・ 相手にとって何が必要かで、優先順位を決める
・ 感情を表出する、言葉が必要である
等が印象に残っているが、皆個性的な意見の持ち主であるため、各自の主張がかみ合わない間に終了になったと思う。

その中で、野山氏が触れた外国人受け入れに付いて、東京入国管理局長が「人口減少社会日本人の選択」について書かれた文章のコピーは、興味深いものであった。それは、目指すべきは「小さな日本」か「大きな日本」か【外国人受け入れ政策は百年の計である】というものであった。

つまり、これからの日本は、世界に類を見ない急激な人口減少を迎えるに当たり、外国人を規制緩和によって受け入れ、新たな社会形成を行うのか自然の人口減少によって成り行き任せるのか?新しい日本の社会の未来像を、今決めなければならないと問うている。そして、国民と外国人がお互いに好感を抱く関係を、築いてもらいたいと述べている。


坂西由紀子

1 クリストファー遙盟
*なぜ尺八演奏か?
・簡単であればあるほど意味が通じる。
・少ない言葉で大きなものを伝えたい。
*多様な人たちが排除されないで生きていける社会
*正しい日本語を学習すると同時に、友達を作り実際に使うことで覚えていった。
※ 夢っくすが日本語チュータープログラムでしていることは、まさにコレに尽きる。

2 パネルディスカッション
*勉強中心の日本語教育から、生活・生きがいを中心とした日本語教育。
*マイノリティーが油断しても生きられる地域社会作り。
・コミュニケーションができる環境をつくる。
・言葉中心主義を小さくし、隣人感覚で。
・過剰に批判的にならないように私メッセージで伝える。
・母語話者・ネイティブを目標としない。
*長期滞在の外国人が増える中で、上級日本語習得のためのコーディネーターの存在。
*ネットワーク作り
*情報交換・資料交換の場としてのリソースセンター構想。
 
3 講演「学習者をその気にさせるためのヒントあれこれ」
それぞれが少ない持ち時間を精一杯使おうと、言いたいことを言い続ける中、実例を交えての話は一番分かりやすかったか‥‥。言うことに矛盾はあったが、高校時代から続けているという日本語支援をどんな形であれ、ずっと続けていることはスゴイ。

4 感想
新潟県国際交流協会は金持ち?そうそうたるメンバーを集めてのシンポジウム。時間不足で話者も息切れ、参加者は消化不良を起こしそうな状態。このような機会を戴いてありがとうございました。夢っくすもお金持ちです。私達が出掛けるのは、限りがあります。もし、足立先生でもお迎えすることができれば、日本語チューター・日本語教室をしている人の多くが参加でき、たくさんのヒントが戴けると思うのですがいかがでしょうか。


佐藤八重子

「これからの日本語学習支援とは」として第一部は(尺八演奏家)であるクリストファ氏の演奏からで脳と心を癒してのリラックスムードで聞く事ができました。彼は早稲田大学で日本語を学習したけれど教室内でより歌舞伎町界隈に繰り出しての生の会話が上手くなった最大の秘訣と笑っておしゃっていました。

第二部は3人のパネリストによるデスカッションでした。
(地域の日本語教育)とはとして春原憲一郎氏
・ 勉強(無理をする。無理がある)中心から生活中心、そして当事者中心へ。
・ 隣人として接する(あえて親しい関係にならなくていい)
・ 過剰に批判的にならない(自分メッセージで伝える)
・ 日本語が出来ないと困ると脅迫しない

(学習者をその気にさせるためのヒントあれこれ)として清ルミ氏
・ ボランティアの意識として楽しく、淡々と、あきらめず息長く
・ 学習者と同じ視点に立ち相手にとって何が必要かを見つける
・ 教科書にあまり頼らず学習者と一緒に膨らませていく事が大事
・ 生の会話に初級、中級、上級はない

(これからの課題)として野山広氏
多文化共生の時代に応じた日本語教育を実践する際に重要な事の1つに支援のあり方や考え方を共有すること。(たとえば外国人住民が日本社会に適用するだけでなく状況に応じて日本社会の側からも変わっていく)ような支援のあり方が肝要である。

感想として日本語支援とは言語を教える事のみならず人としての付き合い方を上手く出来るためのサポート役になることのように思いました。


篠田ヒサ

去る10月11日、「これからの日本語学習支援とは」というサブタイトルの多文化共生シンポジウムに参加した。まず、尺八演奏家のクリストファー遥盟氏の素晴らしい演奏に日本の音楽を堪能した。しばしば、外国の方による日本文化の紹介に接することがあるが、いつも新たな感銘を受ける。人間国宝の山口五郎師より「遥盟」の号を授かっておられる氏は、各国の大学や教育機関で日本音楽の教授活動や、世界初の英語で書かれた尺八学習のテキストや参考書の執筆をしている。

遥盟氏は日本文化は簡単で大きな世界観がある。日本語も簡単で大きな意味するものがあるという。アメリカ生まれの遥盟氏は日本は遠い伝統文化の社会であり、日本文化は世界遺産である。日本語の修得は実際の場で人とのコミュニケーションがなければ進まない。敬語をきれいに、本で折り目正しい文法を学ぶ必要があると指摘された。
 
次にパネルディスカッションでは「月刊日本語」(購読中)でおなじみのパネリストで「日本語習得支援と多文化共生社会」と題した興味深い内容であった。同じ住民として、心のバリアを取り払ってみんな幸せを目指した日本語習得支援を心がけたいと思った。寄贈いただいた「日本語教育新聞」は参考になりました。楽しい一日をありがとうございました。


高津戸真弓

現在日本に居留する外国人は留学生中心から仕事・結婚を理由に来日したものに移行している。それは多様だがマイノリティな人たちであり、彼らと地域社会とも密接になってきたと言える。地域社会への参加を円滑にするためにも、コミュニケートツールとしての「日本語」を教えていくことが重要になってきている。

地域の日本語教育は地域社会からの視点から、臨機応変な教室が展開できると考えられます。教授者は言語中心主義(言葉ができないと何もできないと考える事)を大きく持たず、学習者は母語話者(ネイティブスピーカー)を目標とせず、今のまま、ありのままでいいとお互い認識することが大切だそうです。私たちが学習者を脅迫して学習意欲を消し去ってしまうことは最もしてはいけないことではないでしょうか。

日本語を教えることを考え始めた時に、違う言語を学んだ経験が生かせるのではと思いました。彼らの疑問やもどかしさ、語学習得の道に立ちはだかる壁などを共感できると同時に、彼らの不満にも耳を傾ける事ができました。

なじみのある自己の言語には気付かない点(死角)があるということは、外国人に日本語を教える際にしばしば感じた事でした。私はその点を彼らから気付かされたりなど、固定観念を打破して考えることを相手から学ぶ機会が多くありました。清ルミ氏はその発見が楽しさに変わると言う。

確かに普段当たり前に使っている日本語は、私たち日本人にとってこそ使いこなせているのであり、彼らにとってはそうではないことの発見。また私たち日本人も何気なく使っている言葉を、外国人に説明する際に少し立ち止まって考えてしまうことの発見。「日本人なのになんでわからないの?」という顔をされると恥ずかしいやら、情けないやらで変な笑いを浮かべるしかない時もありましたが、今は日本語の奇妙さ絶妙さを知ることができ、私たちの母語を違った角度から見られて良かったと思っています。

学習意欲を踏みつぶすな!ということはディスカッションでも取り上げられていた事ですが、私たち教授者が必ずしも教科書どおりが正しいとは限らないことに気付き、学習者にとって今一番重要で必要な日本語を考えてあげられる教室を目指し、彼らの生活が豊かになるように支援していくのが地域の日本語教育ではないでしょうか。彼らが幸せに生活できる環境作りへのヒントやチャンスなどのきっかけを渡すだけで、私たち日本人との摩擦も少なくなっていくのではないかと。
 

多文化共生とはただ仲良くではなく、いかに歩み寄れるか。それは相手の事や国民性を理解し、いかに耐えるかという事であり、「友人になる」というよりは「隣人になる」気持ちが大切である。この言葉にまた日本語の妙を見たのでした。

近年、この魚沼地区でも例外なく留学生以外の外国人が増えてきています。彼らは留学生よりも早急に日本の地域社会に慣れることを求められています。しかし彼らは日本語を学ぶ場所や時間をなかなか見つけられず、私たちとの溝は広がり帰属意識もどんどん薄くなっていくように思えます。地域の人々から形成されるボランティア団体が、それを解消できるのではないかと考えさせられた一日でした。


パネルディスカッション「日本語習得支援と多文化共生社会」の中で印象に残ったこと

おおひら悦子

◎「友人」ではなく「隣人」として
これまでに参加した多文化共生をテーマにした研修では、「日本に住む日本語ができない外国人などの少数派も排除されずに生活できる住みよい地域社会を・・」ということが言われていました。そのためには、お互いに違いを認め合うことが必要で、時には我慢や無理をしてでも「仲の良い友人」にならなければという意識があったと思います。春原憲一郎さんのお話の中にあった次の言葉が新鮮でした。「特に生理的な感覚においては、どうしても我慢できない点があって当たり前。みんなと無理に仲良しになる必要はなく、同じ住民として、隣人として認識できればよい。」これから地域が多文化共生社会を営んでいくためには、「そうか、それでいいんだ。」と、気付かされたような気がしました。

◎ ニーズを踏まえた的確な支援を
NHKの日本語講座で講師を務められた清ルミさんが、講座内容を決めるために、外国人花嫁さんを中心におこなった事前聞き取り調査のお話が興味深いものでした。教科書での日本語学習では、感情表出の言葉が少ないため、家族に自分の気持ちや文句を言いたくても言えない。近所の人に丁寧に言いたいが、言い方が分からない。といった意見が多く、清さんは喧嘩の場面を入れたいがNHK側にはなかなか理解してもらえず困った、というようなお話もありました。清さん自身が高校時代から日本語ボランティアをされたり、今でも日本語教育とは全く違う分野で、ボランティア活動をしていらっしゃることから、支援を望む側のニーズを的確に捉え、支援することの大切さが具体的で分かりやすく話されました。ボランティアは「やってあげている意識」を持たず、楽しく、淡々と、あきらめず、息長くをモットーにしましょう、とおっしゃっていました。

また、日本語に関する具体的事例として、「寝かす」「甘い、辛い、苦い」はどんな時に使うかを考えたり、「塩コショウする」「チンする」など、教科書に出ていなくても生活には必要な言葉がたくさんあることなどを取り上げたりしました。日本語を日頃使い慣れ、馴染んでいるとうっかり見落とすものがあるということに気付かされました。


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